葬儀・七日参り

お亡くなりになった時から
四十九日までのこと

「枕経」

まくらぎょう

故人が使っていた湯呑に水を入れ(末期(まつご)の水)、経机(きょうづくえ)を準備し、喪主及び血縁の濃い親族に集まってもらいます。故人は北枕になるようにします。
1本ロウソクとお線香を絶やさずに注意します。ロウソクは仏様の智慧、お線香は仏様の道です。お線香の香りは白檀(びゃくだん)の甘い香りがよいとされます。また、茶湯を立て故人にお供えするのもお勧めします。冷えては取り換えし、何度もお茶の良い香りをお供えして下さい。

神棚や床の間を半紙で覆い、仏壇もこの日から四十九日が明けるまで閉じます。
お勤めは末期の水の作法から始めます。続けて、亡くなった方に仏教の信者になってもらう作法を行い、読経をします。お経はお釈迦様の説法であり、それを聞くことは修行そのものです。

「入棺」

にゅうかん

 本来、入棺は通夜の日の午後に行います。水にお湯を入れる「逆さ水」で体を清め、清潔な白衣や浴衣などを左前に着せます。故人がお遍路(へんろ)に行かれた方であれば、遍路装束(手甲・脚絆・おいずる・ずた袋など)を着用させてください。 
御朱印を押したおいずるは遺体の上に覆い、その上に遍路笠を置きます。右脇に遍路杖を納め、納経帖(のうきょうちょう)は開いて頭の下に置きます。六文銭(ろくもんせん)はずた袋に「三途(さんず)の川の渡し銭」として紙の模銭(もせん)を入れます。首には袈裟(けさ)、手に数珠を持ってもらいます。これらの作法は必ず身内の者が行います。

「通夜」

つや

故人の成仏のための初め、「出家得度(しゅっけとくど)」の儀式です。お釈迦様の教え「仏道」に入り、その悟りという最高の境地を目的地とする道のりのスタートに立ちます。その出家得度した名前、仏法を授かり戒律を守る方へのおくり名が戒名(かいみょう)です。

「戒名の号」

かいみょう

居士(こじ)・大姉(だいし)の意味
深く仏道に通じ、仕事に精進して後の世代の礎(いしづえ)を築き、人の上にたって皆を励まし、徳を積んだ人ということ。

信士(しんし)・信女(しんにょ)の意味
仏道の教えを信じ、それを社会や家庭生活の中で実践し、皆に安心をもたらし、徳を重ねた人ということ。

童子(どうじ)の意味
4・5歳~15歳までを童子と呼びます。15歳という区切りは昔の元服の頃ということです。

孩児(がいじ)の意味
生まれてから3歳くらいまでのこと。孩とは「いとけなし」という意味です。

嬰児(えいじ)の意味
生まれて間もないお子さんにつけます。

水子(みずこ)の意味
流産や早産などでなくなられたお子さんにつけます。男女の別はつけません。

院号(いんごう)の意味
日本では昔、天皇陛下や皇族様方が隠棲(いんせい)なさった住居を○○院と呼び、いつしかその方も○○院様とお呼びするようになりました。その後お亡くなりになられてからも○○院とお呼びする習慣になってしまったことが始まりです。

「葬儀」

そうぎ

 ご霊前とは位牌(いはい)のことです。位牌は魂の依り代(よりしろ)ですので祭壇の中心に祀りましょう。写真が中心ではありません。
 本尊様は不動明王様。故人の魂を阿弥陀如来の御浄土(おじょうど)にお運びくださいと願い、また阿弥陀如来には個人の魂をお迎えくださいと願います。そして、何度も生まれ変わって修行して功徳を積み、大日如来の智慧(ちえ)を成就して即身成仏(そくしんじょうぶつ)させてくださいと祈ります。

「七日参り」

初七日~六七日

御逮夜(おたいや)ともいいます。本来は宵(よい)の頃に行いました。夕方から次の日が始まると考えたからです。七日目を迎えるその夕方にお勤めをし、お経の功徳を故人にお供えしました。
七日毎にお参りするのは、その度ごとに足早に次に進もうとする魂に対し、呼び止め、その心に刺さっている煩悩の種を抜いてくださいと本尊様にお願いする意味があります。
初七日から三十三回忌までかけては、十三佛様(じゅうさんぶつさま)を本尊様として拝みます。十三佛は、曼荼羅(まんだら)の主となる仏様ですので、十三佛様をきちんと拝むことは曼荼羅の全ての仏さまを拝むことです。初七日では、その中心となる不動明王を祀ります。二七日~六七日も法事と同じく大切です。

「四十九日」

しじゅうくにち

薬師如来が本尊です。過去の貪欲(とんよく むさぼりのこと)・瞋恚(しんに いかりのこと)・愚痴(ぐち 道理にくらいこと)の煩悩を抜き、薬壺(やっこ)の秘薬で苦悩を癒します。この法要の始めに本位牌(ほんいはい)の魂入れを行います。黒塗のお位牌です。この本位牌は三十三回忌まで祀ります。それ以降は繰り出し位牌(くりだしいはい)に移すなどしてもよいです。

「十三佛様」

じゅうさんぶつさま

初七日から三十三回忌までかけて故人をお浄土に導く13の仏様

七日参り(なのかまいり) 本尊
初七日(しょなのか)   不動明王(ふどうみょうおう)
二七日(にしちにち)   釈迦如来(しゃかにょらい)
三七日(さんしちにち)  文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
四七日(ししちにち)   普賢菩薩(ふげんぼさつ)
五七日(ごしちにち)   地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
六七日(ろくしちにち)  弥勒菩薩(みろくぼさつ)
四十九日(しじゅうくにち)薬師如来(やくしにょらい)

百ケ日   観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)
一周忌   勢至菩薩(せいしぼさつ)
三回忌   阿弥陀如来(あみだにょらい)
七回忌   阿閦如来(あしゅくにょらい)
十三回忌  大日如来(だいにちにょらい)
三十三回忌 虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

「十三佛様」(じゅうさんぶつさま)
初七日から三十三回忌までかけて故人をお浄土に導く13の仏様

・七日参り(なのかまいり)
本尊

・初七日(しょなのか)
不動明王(ふどうみょうおう)

・二七日(にしちにち)
釈迦如来(しゃかにょらい)

・三七日(さんしちにち)
文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

・四七日(ししちにち)
普賢菩薩(ふげんぼさつ)

・五七日(ごしちにち)
地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

・六七日(ろくしちにち)
弥勒菩薩(みろくぼさつ)

・四十九日(しじゅうくにち)
薬師如来(やくしにょらい)

・百ケ日
観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)

・一周忌
勢至菩薩(せいしぼさつ)

・三回忌
阿弥陀如来(あみだにょらい)

・七回忌
阿閦如来(あしゅくにょらい)

・十三回忌
大日如来(だいにちにょらい)

・三十三回忌
虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)